気持ちいいマッサージを目指して というブログにて、こちらの本のブックレビューを書いていただいていました。管理人様に許可をいただき、ここに転記させていただきます。
とても丁寧に読んでいただいたのが分かる文で、ここまで私の気持ちを受け取ってくれたのかと感動していました。
「性感マッサージ師からのメッセージ 不感症克服マニュアル 〜いけない女性といかせたい男性のために〜」通読完了
2014/06/07
01:02
まず、タイトル長いです(笑) (すいません。完全にタイトルに釣られて買ってます…)
先日読了した「実体験で語る・性感マッサージ師入門」と同じ著者です。
「実体験で語る〜」が性感マッサージ師を夢見る紳士諸兄に向けたものであるのに対し、
こちらはタイトルの通り、セックスでいけない女性を主題にした本です。
ですが、性感マッサージ師としての活動において著者が大切だとするマインドを知るための手がかりがたくさん記されているため、紳士諸兄必読の書と言えるでしょう。
著者の語り口はあくまでも静かに、淡々としています。
下手にあおり立てるような文体は個人的に好きではないので、私は気にせず読み進めることができました。
この手のハウツーものにはやたら自信満々なものが多くて辟易しますが、性感マッサージ師を目指すにあたって
そのようなハウツーを大量に読み漁ったという著者もそう感じたからこそこのような文体にしたのだと思います。
「ここには、性感マッサージ師が不感症をどのように捕らえているかが書いているだけで、必ず直りますとか、必ずいかせるテクニックなどと言うおおげさなものはありません。」(本文より)
…おおお?
冒頭から、ジャケ買いした多くの読者を唖然とさせる一文にビックリドッキリ。
「実体験で語る〜」を先に読んだ私は著者のセックスに対する考え方をある程度理解したつもりだったので、
「なるほど、そうきたか」としたり顔をして読み進めてみました。
不感症という言葉の定義は思ったよりもあいまいであり、本当は人それぞれ原因は様々であるにも関わらず、
一般的には「イケない、イキにくい」状態として主に女性に対して適用されることが多い。
このあいまいな概念のようなものがひとり歩きし、多くの女性を傷つけている、と。
著者が実際に施術すると、パートナーとのセックスではイッたことがない女性でもオーガズムに達するケースが
ある程度の割合で存在したそうです。
その事実から、著者は不感症という現象に対して疑問を持つことになります。
内容の大半は、クライアントに接した時にこんな人がいた、そしてそれに対してどんな対応をした、というものです。
そこから見えてきたものを読者に次々と投げかけてきます。
冒頭にも述べられている通り、決定的な解決策や、有効なテクニックが語られることはありません。
不感症というのは結果を示すただの言葉であり、その原因は一人ひとり全く異なるものだからです。
原因が単一でないからこそ、答えもありません。
読者たるあなたと、あなたが大切にしているパートナーの対話によってしか、それを見つけることはできないのです。
著者がクライアントと接してきた記録が、その対話のきっかけを見つける手助けとなることでしょう。
だから、「だまされた!」なんて怒ってはダメです。
むしろ、「イカせなければダメなんだ」「イケない私はダメなんだ」という固定観念から抜け出すきっかけを手に入れ
られたことを喜ぶべきでしょう。
そういう意味では、やたらと即物的な答えを出してお茶を濁すハウツーものよりよっぽど価値があると思います。
だって、「◯◯すれば完璧!」って言われて、その通りやってもダメだったらヘコみませんか?
それこそ、「これでイケないお前が悪い」「イケない私が悪い」の繰り返しでさらに傷は深まっていくばかりです。
その不毛な連鎖から抜け出しましょう。
新しい世界を目指しましょう。
少なくとも私は、目からウロコでした。
そして、作中で著者が参考にしたというテクニックや読んだ本を手がかりに、さらなる探求の旅に出たのです。